魅せてあげる、感動と興奮、びわこの夏。
レース展望
ボートレースびわこでは8月10日から「G3オールレディース ビーナスちゃんカップ」が開催される。真夏の湖都に女子レーサーが集結。熱く華やかな戦いを繰り広げる。
V候補の筆頭はもちろん地元の遠藤エミ(滋賀)だろう。びわこ通算14優出4Vの実績。15年の一般戦、18年のオールレディース、18年の男女ダブル戦、21年のヴィーナスシリーズで優勝している。遠藤がびわこの女子レースを走るのは21年11月以来で約1年9カ月ぶりと久々で、SGタイトルホルダーとなってからは初めて。貫禄の走りを見せて2回目の地元オールレディース制覇を果たしたいところだ。
地元勢には香川素子(滋賀)もいる。びわこ実績は遠藤と同じ通算14優出4V。06年の女子リーグ、14年のオール女子戦、20年の男女ダブル戦、21年の男女ダブル戦で優勝している。ただ当地オールレディースは過去7回出場して3優出0Vで、何度も活躍こそ見せているがまだ優勝はできていない。今度こそ「ビーナスちゃんカップ」のタイトルを手にしたいところだ。
地元の滋賀支部からはその他にも水口由紀、孫崎百世、清水未唯が参戦。地元ファンを沸かせる走りを期待したいところだ。
遠征勢で注目はまず長嶋万記(静岡)だろう。今年15節走って12優出6Vという驚異の快進撃。2月に蒲郡G2レディースオールスターで悲願の記念初Vを飾り、7月には児島SGオーシャンカップで準優出の活躍を見せるなど充実の走りが続いている。そして今年6Vのなかの1つが5月のびわこ一般戦。上平真二らと熾烈(しれつ)なV争いを演じ、優勝戦で2コース差しを決めて当地初Vを飾ったのが記憶に新しい。あれから約3カ月、びわこに戻ってくる長嶋が当地2節連続Vなるか注目だ。
渡邉優美(福岡)もびわこ2節連続Vがかかる。21年9月に当地一般戦で優勝。持ち前のスピード戦を武器に勝ち上がり、優勝戦で2コースまくりを決めてびわこ初優出初Vを飾っている。約1年11カ月ぶりのびわこ登場となる渡邉が再び魅せるのか楽しみだ。
びわこ巧者なら海野ゆかり(広島)の名も挙がる。09年びわこ一般戦と17年びわこオールレディースで優勝歴があり、当地通算11優出2Vの実績。びわこオールレディースは過去5回出場して3優出1Vという強さだ。海野は前期勝率5.98でA2級降格を喫したが、今期に入って6月の児島一般戦で優勝するなど勝率6.44と復調ムード。びわこでも大暴れを見せそうだ。
侮れないのは東京支部勢か。7月の大村オールレディースで道中7連勝のピンラッシュを演じた藤原菜希や、現在B1級だが今期勝率6.14とリズムを取り戻してきた清水沙樹、5月の徳山オールレディースで優勝した平田さやか、女子屈指のスタート力を持つ中村かなえ、1月のびわこ一般戦で優出2着と大暴れした黒澤めぐみなど攻撃力のある選手がそろっている。
その他では15年びわこオールレディース覇者の中谷朋子(兵庫)や、11年びわこ女子リーグでV歴を持つ三浦永理(静岡)、安定した活躍ぶり光る大瀧明日香(愛知)と細川裕子(愛知)の愛知勢、5月の唐津オールレディースで初Vを飾った山下夏鈴(三重)らに注目したいところ。舟券的には成長著しい深尾巴恵(群馬)、深見亜由美(愛知)、野田なづき(佐賀)らが楽しみだ。
注目レーサーのご紹介!
【遠藤エミ】
2008年5月にびわこでデビューし16年目に入っている遠藤エミの通算優勝回数は38。そこには、「ほんとうにたくさん迷って悩んだ1年間でしたが、最後にいいカタチで締めくくることができて良かったです。もっと面白いレースができる選手になりたいです」と語った2017年12月のプレミアムG1クイーンズクライマックス(大村)が含まれている。また、2021年8月のプレミアムG1レディースチャンピオン(浜名湖)優勝に際しては、「自分より私を信じてくれているファンの方々がいる…」と言って言葉を詰まらせた。そこには常にファンが存在し、励ましに応えることで結果に結びつけてきたのだ。女子初のSGウイナーとなった2022年3月の第57回ボートレースクラシック(大村)の導火線といってもいいだろう。「いつも応援ありがとうございます。皆さんの声援が力となってこういう結果が出たと思います」と涙したのは自然なことであった。以来、1年半近く経つが、優勝は2022年5月の唐津オールレディースにとどまっている。リズムを取り戻すために絶好の舞台が、やはり地元戦。持ち前のスピードを生かし、びわこ5回目の栄冠を目指すことになる。
【長嶋万記】
同じ高校の先輩で、ともにバスケットボールで心身を鍛えていた大瀧明日香に憧れたのがボートレーサーとなったきっかけ。長嶋万記は「チャレンジすること」を大切にしている。強い選手になるための挑戦はもとより、広く知られるようになった社会福祉活動は、ただ思っているだけではダメだという信念によって成されている。手間や時間を惜しまず多様な取り組みに注力できるのは俯瞰(ふかん)する視座をもっているから。個人の都合よりも他者の事情を考えることのできる人物である。「バードアイって呼んでいるんですが、上から全体を見渡す感じです。そうすることで自分の置かれている状況やこれから何をすべきかなどがみえてきます」と、その意義を話す。それがそのままレースの全体像をつかむ視野の広さにつながっているのだ。さらに、「ターンをする時、へそで立つっていうんでしょうか。昔のサムライのように、気配を感じさせず素早く動くようなターンができないものかと模索しています」と向上心は旺盛。体幹を鍛えるトレーニングにも余念がない。2023年は蒲郡レディースオールスターを含め優勝6回と絶好調。その勢いをびわこに持ち込み、バードアイで勝利をわしづかみにするはずだ。
【香川素子】
2022年8月の第35回レディースチャンピオン(丸亀)で初めてG1タイトルを手にした香川素子の実力は図り知れない。2023年後期(2022年11月1日から2023年4月30日)を含め31期連続A級は驚異的。その安定感に凄味さえ感じさせるが、その「安定感」は守りの姿勢からくるものではない。攻めるべきところは攻める「攻撃的自在戦」がスタイル。レースに仕掛けを施し、レースを動かすことで勝機をつかもうとするからこそ主導権を握ることができるのだ。そして、判断から決断までが流れるようで早い。「見て」「考え」「判断」し「決断」する行為が分断されておらず、ひとつながりになっているのだ。ギアを一つひとつ入れるのではなく無段階で切り替わる変速機のよう。そこに「経験」という添加剤が存在しているため、なお勝負強いと言ってもいいだろう。2020年5月には、デビュー23年目にしてボートレースオールスター(住之江)でSG初舞台を踏んだが、2023年はボートレースクラシック(平和島)にも出場。男子記念レーサー相手でも互角に戦えることを証明している。これまで優勝4回の地元びわこで、レディースチャンピオン以来の栄冠を目指しベテラン力を発揮するに違いない。
【渡邊優美】
福岡の女子中軸レーサー渡邉優美はデビュー14年目。優勝も12回を数える実力派は、2023年後期を含み11期連続A級。A1は5期連続である。それも、2023年後期(2022年11月1日から2023年4月30日)の勝率は7.26でキャリアハイ。上昇傾向にある。その強さの秘密を該当期間のコース別成績にみることができる。1コース 1着率77.1% (3連対率91.3%)2コース 1着率18.1% (3連対率86.2%)3コース 1着率23.8% (3連対率61.8%)4コース 1着率26.3% (3連対率73.6%)5コース 1着率11.1% (3連対率72.1%)6コース 1着率 0.0% (3連対率28.5%)とにかく、センター戦に強いのが分かる。3コースは自力で勝利にまい進し、4コース時には展開によって変化させる戦法である。そして、レースを操縦力が支えている。速度感を保ったまま、自在にボートを操ることができるのだ。2021年はV4でクイーンズクライマックスに出場。2022年はあと一歩及ばずだったが、2023年は1月に福岡で優勝しており、女子賞金ランキングは圏内の12位としている。優勝歴あるびわこを契機に年末に向け勢いに乗っていくはずだ。
【大瀧明日香】
派手さはないが、プロレーサーらしい実力を誇るのが大瀧明日香。25期連続A級がその証左である。うちA1は17期、2023年後期(2022年11月1日から2023年4月30日)もA1に返り咲いている。レディースチャンピオンには2013年から2020年まで連続出場し東海ダービーにも多数参戦しているベテランは、レースの流れを重んじるのがスタイル。水のようによどみがないから美しいクールビューティーである。スポーツの強豪常葉菊川高校のバスケットボール部の後輩長嶋万記は、その背中を追ってボートレーサーになったが「いつも冷静でカッコいい」と話す。さらに、「昔も今も変わりません」と言葉を足した。憧れであり、模範であり、目標なのだ。その冷静さは、厳しい練習に耐えた高校時代にあるといってもいいだろう。司令塔といわれるポイントガードを任されていたのだ。ポイントガードには「視野の広さ」「冷静さ」「運動量」「ディフェンス力」「シュート力」「パス力」「コミュニケーション力」といった高い能力が求められるが、それに応えてきた自身の歴史がある。レースは1対1の戦いではない。あらゆる方向への意識が必要だが、それを兼ね備えている3000番台最後のベテランが、びわこ初優勝を目指すことになる。
【野田なづき】
2019年11月に唐津でデビューした125期の野田なづきは今、成長過程にある。勝率3点台に乗せたのは期間3.13とした2022年後期。以降成績を伸ばし2023年後期(2022年11月1日から2023年4月30日)は3.80まで上げている。決して「スタート一気で決着をつける」タイプではないが、しぶとく粘り2・3着で舟券に貢献するシーンが増えている。特に、2コースと3コースの2・3着率は35%前後となっており、舟券作戦に大きく影響を与えている。気になる存在だ。2023年2月の蒲郡レディースオールスターは、その可憐さも相まって6905票を集め選出13位で出場。大きな期待を集めたが、未勝利に終わっている。課題としてきた「ターンスピードの違い」を埋めていくのが現在の最大テーマ。悔しさをバネに成長していくことになるだろう。学生時代はバレーボールに夢中になっていたが、方向転換しプロレーサーとなった佐賀の23歳は、1着を取るうれしさが原動力になるとも話している。舞台をコートから水上に変えた今、相手のアタックをしぶとくレシーブするとともに、鋭いスパイクを自在に打ち込めるポイントゲッターとなる可能性は高い。その将来性に期待したいものだ。
イベントファンサービス
【8月12日】
・ウルトラマンブレーザーショー
・戦慄のファミリーホラー体験絶叫救急車へようこそ
・ビナちゃんとビーナスちゃんのグリーディング
・おこさま縁日コーナー
【8月13日】
・仮面ライダーギーツショー
【8月14日】
・ロッチお笑いライブ
・プレゼント抽選会
【8月15日】
・水谷隼トークショー
・プレゼント抽選会
【8月12日】
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